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SDGs

市内唯一の水田を守るためチューリップ栽培、酒造りに挑戦
世代を越えた交流の場を創出する

羽村市観光協会/拠点:羽村

羽村市観光協会(池田恒雄会長)は、羽村市内唯一の水田「根がらみ前水田」の持続可能な運営に挑戦。初夏から秋に収穫した米と、羽村の水で作られた日本酒「はむら」の企画や販売などに取り組み、休耕時期となる秋から春はチューリップを栽培し鑑賞する場として一大観光スポットとなっている。地域の子ども・農家・チューリップオーナー・ボランティアたちによる、地域の「学び」、活力生まれる「にぎわい」、そして世代を超えた「交流」を生み出している。

羽村市のチューリップ畑は、1988年に当時の「羽村市花と緑の事業団」が羽村市園芸組合に球根の栽培を依頼したことが発端となっており、その後1993年に地元農家によってチューリップ生産組合が設立され、観賞用のチューリップとして定着し現在に至っている。こうした歩みを反映して、毎年行われるチューリップ球根の植え付けや掘り取りには地元の保育園・幼稚園児や小学生、ボランティア、球根購入に協賛しているチューリップオーナーなど数百人もの参加があり、羽村市の年中行事として定着している。春には約35万本のチューリップを楽しむために毎年数万人もの観光客が来場する。

2019年から羽村市観光協会では「羽村の新しい特産品を」と日本酒の開発に着手。同協会副会長も務め、市内で農業を営む清水亮一さんが、根がらみ前水田で収穫したコシヒカリ玄米を1㌧持ち込み、醸造は福生市の石川酒造に依頼し、数量限定ながら市内酒店で販売できるようにした。瑞穂町の清水牧場ともコラボし、酒粕を利用した甘酒ミルクジェラート開発した。化学肥料も100%酒粕に置き換え、高騰が懸念される肥料コストの削減と使い道がなければ産業廃棄物として廃棄される食品残渣をリサイクル。酒粕を肥料とすることによって米に含まれるアミノ酸(ロイシン)値が通常の約10倍になり、食用米でありながら大吟醸並みのふくよかな香りが楽しめるなど、酒本来の風味の向上とお米のロス防止にもつながっている。清水さんは「今後米生産農家の協力を得るなどして2000本を目途に安定供給をめざしていきたい」と抱負を語る。

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