日本航空高校石川 4月から明星大青梅校に避難的移転
生徒・学生1000人 仮寄宿舎整備
日本航空高校石川と日本航空大学校石川(石川県輪島市)の避難的移転先が、「街プレ」2月8日号既報の通り、4月から青梅市の明星大学青梅校になった。同高と大学校を運営する日本航空学園(山梨県甲斐市)と、明星学苑(日野市)が3月3日発表した。
当初の計画では、能登キャンパスの被災を受けて、系列校のある山梨キャンパスに仮設校舎や寄宿舎を整備し、4月から生徒、学生を受け入れるものだった。
こうした中、浮上したのが、空き校舎になっている青梅校の存在。日本航空学園の梅沢重雄理事長が明星大の卒業生だったこともあり、都の仲介で、青梅市、明星学苑と協議し、青梅校の土地と建物を無償で使うことで合意した。期間は最大3年を想定している。4月初旬までに仮設寄宿舎(定員20人×40棟)を整備し、生徒・学生1000人近くが対面で授業を受ける。
青梅校は広さ80ヘクタール。青梅市の誘致で1992年に開設され、本館、図書館、体育館のほか、陸上競技場、野球場を備える。ピーク時には2000人を超える学生がいたが、2015年に日野校にキャンパスが集約され、空き状態が続いている。
青梅校は青梅市との間で譲渡協議があり、昨年11月の市長選では争点の1つになった。買収に慎重だった大勢待利明氏が市長に当選。議会も理解を示してこなかったことから、結局棚上げになった。
避難的移転は最大3年とされているが、その間に青梅校の活用法が決まらなければ、法的課題をクリアすることを前提に本格移転の話が進むと見られる。
発表された吉田元一明星学苑理事長のコメントは次の通り。
「令和6年能登半島地震で被災された皆さまには心からお見舞い申し上げます。また、被災者の救済と被災地の復興支援のため日夜ご尽力されている方々に深く敬意を表します。
この度、石川県輪島市に所在する日本航空高等学校石川、日本航空大学校石川が被災され、当該学校を設置している学校法人日本航空学園の理事長をはじめとした多くの教職員の方が明星大学の卒業生であるということもあり、本学苑に支援の要請がありました。
本学苑では、両校の被災状況、なによりも当該学校の生徒・学生の学習機会を確保することを優先しなければならないと考え、本学苑が所有する青梅校(東京都青梅市)を無償供与する方向で、学校法人日本航空学園と合意しました」