執筆協力 編集室システムU okamura.nobuyoshi@gmail.com
三田りょうさん新曲発表コンで 小澤順一郎さん迎え、人となり偲ぶ
三田りょうさんの新曲発表コンサートが11月23日、プリモホールゆとろぎ(羽村市緑ケ丘)で開催された。この中で、新曲「悠久の故郷」のカップリングとしてCDに収録された「多摩の四季」が青梅市民合唱団と三田さんのコラボで歌い上げられた。
作詞は川合玉堂最後の弟子で、日本芸術院賞受賞者の宇佐美江中さん。青梅市仲町に住んでいたが、8年余り前に忽然と姿を消した。行方は今も明らかになっていない。詞を預かり、その後CDになるのを楽しみにしていた宇佐美さんを思い三田さんは、曲の発表に合わせ玉堂の曾孫の小澤順一郎さんをゲストとして迎え、トークコーナーを設けた。
二人は優しい人だったと口を揃え、人となりを偲んだ。小澤さんは「玉堂が病床に臥せっていたとき最後まで面倒を見ていたのが宇佐美さんだったと聞いている」とし、「玉堂が書画を完成させ、宇佐美さんに背中を支えてもらい落款していたとき、医者から『起きて落款などしてはいけない』と注意を受けた。玉堂はすかさず、『楽観できないとは私も終わりだ』と洒落を言った」という話を披露。「そんな玉堂の最後まで門人だったのが宇佐美さんだった」と語った。
〽名残り雪 消えないままに梅は咲く 平将門 手植えの梅は 青梅の里の 名を今に あゝ金剛寺 枝垂桜の 蕾くれない
ピアニストの藤波結花さんの演奏で会場に響き渡った歌を宇佐美さんはどこかで聞いただろうか。
2016年の9月1日午前、自宅近くで知人と言葉を交わしたのを最後に、消息を絶った。その前日に「明日は永山から御岳まで歩く」との言葉を聞いた人もいた。
青梅警察署員も足取りを追った。地元の消防団も大人数で永山から御岳方面にかけて捜索をしたが手掛かりは見つからなかったという。