交通事故死者数の推移
1月7日に令和6年の交通事故死者数(速報値)が発表されました。8年ぶりに増加となった前年と比較し、15人減(0・6%減)の2663人でした。昭和45年の16765人を指数100とした場合、令和6年の2663人は指数16となり、微増の年度もありますが、過去から比較すると大幅に減少してきています。
車線や車間に関する警告や自動ブレーキなど、先進安全技術は年々進化し、交通事故削減効果が期待されています。実際、安全運転装置の搭載されている車は、事故率が低い傾向にあります。ただし、現在実用化されているものは安全運転を支援するもので、その機能には限界があります。運転者はその機能の限界や注意点を正しく理解し、機能を過信せず、責任をもって安全運転を行うことが必要です。
先進安全技術の進化だけでなく、エアバックやABS装置の普及、シートベルト着用の義務化、飲酒運転等の悪質で危険な交通違反の厳罰化や行政処分の強化などに起因する部分も大きいでしょう。昨年11月には自転車の酒気帯び運転やながらスマホの罰則を規定する改正道路交通法も施行されました。
交通事故の多くは運転者の不注意に起因しており、漫然運転、脇見運転、運転操作不適(ハンドル操作不適・ブレーキやアクセルの踏み間違いなど)による事故が、他の事故に比べて高い致死率となっています。
75歳以上においてはブレーキとアクセルの踏み間違いの割合が高くなっています。運転が不安になってきた高齢者の免許の自主返納を進めるため、公共交通機関の割引や配送サービスの割引などの特典や環境の整備も必要でしょう。
安全で快適な交通社会を実現するため、国民ひとりひとりの、より一層の安全に対する意識の向上が求められています。