まっすぐな思いが「古里」と出会った、若き情熱人。
既に多くの取材を受けている青梅線「古里」の卵道(ラン
ウェイ)。今回はまだ語られていない、素顔の一面を聞いた。
「卵道」巻き手 河村周平さん
「純真さが巡り合わせた場所」
河村さんは20代半ばまで、明確な目標が持てない時期があった。自分に合った一生の仕事を問う中に、人と接して喜ばれる仕事が良いと飲食店に入る。最初の居酒屋は夜中心の営業。そこでの光景は、お客様が喜んでいるばかりでなく時に辛そうな、楽しくない場面も見てきたという。そして独立の思いを抱きながら修行を続け、店舗を奥多摩に探すことにした。自身も奥多摩には馴染みもあった。なにより小菅村の水、地元青梅の食材で地産地消を目指す。ところが物件はなかなか出会えず、空き店舗を1軒ずつ訪ねる中に、今の店舗と縁が繋がった。
皆が楽しくなる店をつくる
河村さんが「だし巻き玉子」だけを提供する店にした理由は、とてもシンプルだ。「遠足のお弁当でいちばん嬉しかったのは卵焼きでした。やわらかいので子供から高齢者まで食べることができるし、栄養バランスが良い」。
昼の営業を主体にしているのも、夜の居酒屋とは違うようなお客様全員に楽しい時間を過ごしてほしいという一途な思いが現れている。
全員がブランド体現者
河村さんが会得した「巻き手」としての技術も、若いスタッフに任せることで、均一な提供が出来るようになっている。卵道のスタッフは皆、人と話すことが大好き。メニュー看板なども、スタッフが自ら書いているという。のれんや名刺などイラストも、デザイナーに思いを伝えて描いてもらった。ひとつひとつに、こだわりが隠れており、お客様から質問されて、会話が増えることが嬉しいと河村さんは言う。
ぜひ古里のお店と、新たにオープンした奥多摩駅近くの、「卵道コレクション」に訪れてほしい。