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コラム

御岳山に春の訪れを教えてくれる「モテモテ鳥」

猛烈なラブコールを送るオス

春の沢から一際高く綺麗な声が響き渡る。声の主はミソサザイのオス。小さな鳥で全長が約10㌢、スズメの半分くらいの大きさです。御岳山では一番に春の訪れを知らせてくれます。

いつもは餌である昆虫を探して回っていますが、春になると岩の上や枝に止まり、短い尾っぽをピーンと真っ直ぐに立て、胸を精一杯張って綺麗な歌声を沢に響かせます。

春は繁殖の季節で、オスは岩の下や樹木の根元の隙間などに柔らかいコケや、植物の枝葉を集めて、ボール状の巣を作ります。なわばり内に同時進行で複数個の巣をせっせと作っていきます。その後は自分が作った巣を順々に回りながら、「オレと結婚してくれ〜」と、高く綺麗なさえずりでメスへ猛烈なラブコールを始め、メスが巣を気にいると、つがいは成立。

メスは羽毛や獣毛、植物の細根などを運び入れて巣の内装を完成させ、産卵が行われます。卵や孵化したヒナの世話は全てメスが行い、オスは他の巣にメスを誘うために、再び猛烈なラブコールを。モテモテのオスはドンドン他のメスとつがい、志賀高原で行われた調査では20%が一夫多妻となり、最高では一夫四妻も。ただし、オスがマイホーム作りに失敗してメスを巣に呼び込めないケースも。独身のままのオスが35%もいたそうだ…。

コラム執筆者

宮田 浩

エコツーリズム・グリーンツーリズムなどに携わり現在は年間を通じ、御岳や奥多摩などを中心としたツアーガイドなど数多く行う、川と森を案内するスペシャリスト。

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