明けましておめでとうございます。2013年より西多摩のタウン誌「街プレ」で、
「環境」をテーマにした紙面を執筆することになりました東京チェンソーズの
木田と申します。日々、林業を営む僕らが、皆様の知らない西多摩の山々の
“今”をお届け致します
「よい森が、よい水を生む」サントリー天然水の森とは?
僕らのいる檜原村はすっかり冬です。ストーブで暖を取るのはもちろん(11月から使ってますが)、そろそろ水道の凍結にも気を付けなければ、という日々です。12月には雪も降りました。
皆様は、「サントリー天然水の森」を御存じでしょうか?ビールなどの原料に地下水を使うサントリーさんにとって、地下水を生む森は守るべき大切なものとなっており、「よい森が、よい水を育む」の理念の下、全国13都府県に16カ所、計約7600㌶の森で協定を結び、森林整備と自然保全をされています。
ここ西多摩にもその森はあります。「サントリー天然水の森 奥多摩」は、檜原村の大嶽と人里の2カ所に、あわせて約45㌶の森が広がっています。多摩川の下流にある武蔵野ビール工場等で使う地下水の涵養エリアのひとつになっているようです。
私たち東京チェンソーズは今、この森で仕事をしています。昨年より大嶽の森で、①広葉樹林の間伐、②人工林の間伐、③林内歩道整備の仕事をしています。広葉樹林の間伐は、カエデやクリ、リョウブ、ナラなどの森で、成長の悪いものや枯れてしまったもの等を間引き、林内を明るくし、植生を回復、より多様性のある森林へ導くのが目的となっています。こうすることで、雨水を一気に流すのではなく、土壌に吸収・地下水を貯める、いい森になると考えられています。
人工林(スギ・ヒノキ) の間伐も同様です。そして、こうした作業や、それに先立つ調査がしやすいように、林内歩道の整備をします。人の手が入ってこそ、山の環境は整えられていくのです。 では、今年1年が皆様にとって素敵な年になりますよう。また皆様の知らない森からお便りいたします。
東京チェンソーズからのメッセージ ~東京の森から~
その昔、先人達が子や孫の財産となるよう、山に苗木を背負い上げ、一本ずつ丁寧に植え、毎年暑い夏の最中には大汗をかきながら下刈りし、丹念に育て上げた木が、今、伐期を迎えようとしています。しかし木材価格の下落に伴い、今の価格では森を整備する資金まで生むことはできず、国や都の補助金に頼らざるを得ません。そのためその子や孫の世代は山から離れてしまいました。
私たちは植林した先人のその思いと、今の山主さんとの架け橋になるべく、お預かりした山をしっかりと整備し、財産価値を高めてお返しすることを仕事としています。そして「東京の林業」「東京の森」の情報を山主さんに代わり、より多くの方に伝えて行きたいと考えております。
東京の木で造った建物や家具が増えることによって、東京の街にぬくもりのある環境を実現し、山からきれいな水と空気を送りだすことで、社会に貢献していきたいのです。林業、東京チェンソーズの発展が地球の幸せにつながることを信じて。