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コラム

異常気象の現在、山林火災に注意を

本堂消失、9 万5000 平方㍍焼く

青梅市沢井

栃木県足利市で大規模山林火災が起きた。乾燥状態が続き、大量の落葉、強風など燃え広がり易い条件がそろい106㌶以上を焼失した。同時期の2月23日、青梅市沢井で発生した火事が民家、山林を丸1日以上襲った。これらはたばこの火の不始末や焚火が出火原因とみられるが、大惨事になりかねない危険をはらんでいる。

奥多摩湖で給水し、火災現場で投下

青梅市の火災では焚火が住宅に燃え移り、強い風にあおられ約300㍍離れた雲慶院に飛び火。本堂など約500平方㍍を焼き、近くの山林に燃え移ったと見られる。焼失面積は約9万5000平方㍍に達し、都の災害派遣要請を受け自衛隊も消火活動に当たった。

かつての西多摩大火度々

全国では年間1200件以上の山林火災が発生している。山林火災で消火活動を妨げるのが、消火栓の確保だ。道がない山では放水できない。当然の結果として延焼を招き、鎮火には時間がかかる。

西多摩では2014年5月に奥多摩町境で山林火災が発生。丸1日燃え続け、自衛隊が出動した。18年1月には同町棚沢の山林で発生。約8万平方㍍を焼失した。いずれも民家への延焼はなかった。

青梅市の火災も含めて消火活動の主役となるのがヘリコプターの空中からの消火活動だ。今回も奥多摩湖で給水し、火災現場で投下する光景が繰り返された。

かつて西多摩では大火が度々起きた。その多くが山林火災を鎮火できず、民家に延焼したケースが多い。

あきる野市では1873(明治6)年と75(明治8)年に「伊奈焼け」と呼ばれる大火が発生。76(明治9)年には「五日市番場焼け」で28棟、83(明治16)年には「五日市仲町焼け」で78棟が焼ける大惨事が起きた。

82(明治15)年の大久野大火は幸神の山から出火、大久野村の大部分と平井村北側全域に延焼した。その後、地域には防火対策で多くの蔵が造られるようになり、町内には今も150余り点在している。

青梅市では1938(昭和13)年に原今井大火が発生。49棟が焼失した。53(昭和28)年には勝沼・千ケ瀬大火により20世帯が全焼した。

ヘリコプターでの空中消火など消火活動が充実した現在ではこうした大火は起こりづらい。だが、異常気象が続く現在、条件がそろえば災害は牙を向くことを忘れてはならない。奥多摩町では4月、山開きとなり、登山シーズンを迎える。登山の安全と共に火の取り扱いには十分注意を呼び掛けたい。

PR動画を制作 ドローン空撮圧巻

小林家住宅と美しい自然 檜原村松姫研究会

檜原村松姫研究会(吉本昂二世話人代表)が、標高750㍍の山中にある国指定重要文化財の小林家住宅(檜原村藤倉)のPR動画を制作した。CDを配布するほか、動画投稿サイトなどを通し、村の魅力を発信していく。

完成したPR動画を坂本村長(左)に届けた吉本代表(中)と森下さん(右)

同住宅は江戸中期に建てられ、1978(昭和53)年に国の重要文化財に指定された。2011年から5年掛けて修復工事が行われた。モノレールも整備され、標高600㍍の総角沢モノレール駅から最大43度の傾斜を登り、11分で到着する。

撮影は昨年7月末から行われ、4回のロケを行った。10時間を超える映像を15分に編集した。撮影とナレーションを橋本勉さん(65)、イラストを天野博治さん(74)が担当。吉本代表(68)と森下晴男さん(72)がトークで出演した。

動画には坂本義次村長や同住宅を管理する大杉の会の人たちも出演。爽快なドローンの空撮はIMGTec h(墨田区)に依頼。美しい自然が際立つ映像と共に同住宅を通し、村の歴史や文化、観光の魅力を紹介している。 同村ものづくり支援事業の補助を受け、制作費の一部に充てたことから、2月26日に同村役場に坂本村長を訪ね、完成を報告。一緒に鑑賞した。

会員らは「将来に向け村の自然と歴史文化を関係者の肉声を交えて映像に残したいと動画を制作した。村の魅力が多くの人に伝わればうれしい」としている。

同研究会は武田信玄の六女、松姫(1561年〜1616)と同村とのかかわりなどをテーマに勉強会を開くほか、松姫に関するイベントなどを定期的に開催している。

コラム執筆者

編集室システムU

西多摩地域を中心とした東京25区管内の政治、行政、経済社会、トピックスなどを配信する「東京25ジャーナル」の編集室。
“地域の今”を切り取ります。

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