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消えゆく 植物たち

コラム

 夏の御岳山ではレンゲショウマが人気ですが、沢沿いのコースであるロックガーデンも見応えがある植物と出会うことができます。

7月には花が満開になる頃に葉が落ちてしまう不思議なウバユリ、花が白梅にそっくりで、葉の先端に切れ込みが入り、まるでカニの前脚のような葉のギンバイソウ(銀梅草)、そして8月に入ると鮮やかなオレンジ色がひときわ目を引くフシグロセンノウ、それにタマガワホトトギスが続きます。

タマガワホトトギスの「タマガワ」は東京湾へ注ぐ多摩川ではなく、京都府綴喜郡井手町の玉川に由来します。玉川では桜に続き、4月中旬から5月上旬にかけて約5000株のヤマブキの花が見頃を迎え、古くから名所として知られています。植物学者の牧野富太郎はタマガワホトトギスがヤマブキと同じ黄色の花を咲かせることから「玉川」という漢字を当てたと言われています。

このように夏季でも様々な花が楽しめる御岳山ですが、この数年で大きな変化が起きています。ウバユリ、ギンバイソウ、フシグロセンノウは開花時期になっても花を確認することができず、タマガワホトトギスは年々開花個体が減少。その原因はニホンジカとニホンカモシカの採食によるものと推測されます。

これまで両種は度々目撃されてきましたが、私の経験では2020年を境に御岳山周辺で急に目撃頻度が上がり、ニホンカモシカにおいては入山する度にほぼ出会える動物となりました。ロックガーデン以外でもオヤマボクチや冬に氷の花が形成されるカメバヒキオコシの減少が著しい状況であり、御岳山地域でも大型草食獣による植生への食害が顕在化してきたことを肌で感じています。

コラム執筆者

宮田 浩

エコツーリズム・グリーンツーリズムなどに携わり現在は年間を通じ、御岳や奥多摩などを中心としたツアーガイドなど数多く行う、川と森を案内するスペシャリスト。

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