「モノレールを呼ぼうあきる野の会」がシンポ
モノレールで生活がどう変わる
議論に子どもたちの未来図がヒント?
「モノレールを呼ぼうあきる野の会」が2月18日、あきる野ルピアホール(あきる野市秋川)で「モノレールで私たちの生活はどう変わるのか」をテーマにシンポジウムを開催する。モノレールがあきる野を走るとどんな街になるのかを地域住民にイメージしてもらい、誘致の機運醸成を図るのが狙い。
明星大学建築学部で交通工学・国土計画などを教える西浦定継教授が「モノレールが走ると私たちの暮らしはどう変わるのか」をテーマに基調講演をし、子育て中の主婦、新成人、観光業と商工業関係者、元市職員の5人がパネルディスカッションを行う。
西浦教授は、なぜ今の時代に必要なのか、どのようなメリットがあるのか、どのように実現していくのか、の3つを柱に、少子高齢化時代における高齢者のアクセス確保、若者層・子育て世代への利便性、地域経済の活性化を視点に、駅を中心にしたコンパクトな市街地形成などの街づくりを絡めながら可能性を探る。また、実現には需要を予測し、ある程度の採算が採れるような戦略を練ることの必要性などを指摘する。
こうした中、面白いのがシンポジウム開催の案内リーフレット=写真。同市立東秋留小学校の児童が50年後のあきる野の未来図を描いている。中央に「モノレールが通り、交通の便がよくなる」とあるほか、「秋川流域の空を飛ぶタクシーが開発される」「秋川駅が『るのターミナル』になり、リニアの駅につながる無人バスが走る」など未来の可能性に想いを馳せている。
かつて地元には「五日市線複線化」がお題目のようにあった。複線化が地域発展の同義語として使われていたのかも知れない。
同会の活動が今後、モノレール誘致にとどまらず、他の公共交通の可能性や街づくりの在り方に及べば、より有意義なものとなりそうだ。
多摩都市モノレールは1998年に上北台‐立川北駅間が開業。昨年11月に25周年を迎えた。多摩地域を南北に結ぶ地域の足として定着し、1年前には累計利用者数が10億人を突破した。
都は2030年代半ばまでに北側の延伸ルート(上北台- 箱根ヶ崎)開業を目指す方針を明らかにする一方で、南側の延伸ルート(多摩センター‐町田)、西側の延伸ルート(多摩センター‐八王子)を示している。ただ、箱根ヶ崎から羽村、あきる野、八王子を結ぶルートはあくまで構想路線にとどまり、実現には極めて高い壁がある。これらは網代和夫会長ら同会関係者も認識している。
入場無料。時間は14時〜16時。16日まであきる野商工会内の事務局で受け付ける。